赤飯

これに似た話は、
いろんなどごさあるみてだな。

秋田では二つの話が伝わっている。
どっちも由利地方の話だ。

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ある村さ、金持ちが居った。
倉を幾つももっていて、
たいそう羽振りの良い者であったけど。

ある時、その倉から小豆の俵が盗まれた。
金持ちはすぐにお役人に届け出た。
それで小豆泥棒探しが始まったわけだ。

ほどなくして金持ちのすぐ裏手に住む、
百姓の新座衛門が怪しい、ということになったど。

新座衛門の五つになる子供が、
友達と遊んでいる時に、
「おら、今朝、赤ぇまんま喰った。」
としゃべったのが、役人の耳に入ったからだど。
盗んだ小豆で赤飯を炊いたに違いない、と役人は思ったわけだ。

「これ、新座衛門。おぬし、小豆をぬすんだであろう」
「とんでもねえことで。へぇ」
「だまれ、おぬしの家で赤飯を食ったことはわかっている。
このあたりの百姓が小豆をもっているはずがあるまい。
その小豆はどこから持って来たのだ。」

「へぇ、それだばなんかの間違いでねすか。
おら家で赤飯なんど」

「ええい、黙れ。その方のわらしが食ったと言っておる」
「そんたごど、ねぇす」

いくら言っても役人が聞いてくれねえもんで、
新座衛門は子供を呼んできた。
「これ、わらし、そなた赤飯を食ったであろう」
「おど、赤飯ってなんだべゃ」
役人が、代わって答えた。
「赤い飯のことだ」
と言ったど。すると子供は、
「赤ぇまんまが。だば、喰った」
「それみぃ、わらしは正直なものだ」
「それだば違うでゃ」
新座衛門は叫んだ。
それが、かえって癪にさわったのか、
「ええぃ、これでもしらをきるのか」
役人は、いきなり子供を引き寄せると、
あっという間もなく、
子供の腹に小刀をずぶりと突き立てた。
「んぎゃ~!」
腹を開いて、胃袋を切り裂いた。

「どうだ、これを見よ」
と言いかけた役人の顔は、
一瞬のちには怪訝な表情に変わったど。
胃袋の中からは、小豆は出てこねがったんだ。
「いくら、お役人様でも、なんてこど・・・・・。
赤ぇ飯というのは、裏の川でとったエビ混ぜたなんだす。
小豆の赤飯でねぇす。」

新座衛門は、泣きながら子供の体を抱きしめた。

すると、おのれの失敗に逆上したのか、ますます居丈高になり、
「ええぃ、それならそうと、なぜもっと早く言わぬ」
と怒鳴ったっけど。
これだば、神も仏もねぇ話だべ。

子供の腹からは、どくどくと血が流れて、
それと一緒に田エビも出てきたど。
したっけ、ぼおっと立っている役人めがけて赤いものが飛んだんだど。
「うっ、うわあああ~~~!」
今度の悲鳴は役人の方だ。

血にまみれた田エビが、まるで生きているように、
次から次へと役人の足から這い上がり、
みるみるうちに役人の体を真っ赤に染めた。
役人は、どぉっと倒れ、ピクピクっと二度のたうって息が絶えてしまったど。
エビが、口やら鼻やら耳からも入り込んで、
役人の体に喰らい付いていたんだど。


恐ろし話だでゃ、ナ。


で、もう一つの話だ・・・・・。。









ページスペースが無くなってしまいました。
続きはまた明日ということに・・・・







んだば





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この記事へのコメント

+あい
2007年08月30日 18:48
なんちゅう役人だべ!って怒ったけど ちゃんと結末が用意されてたわけですね。

次の話は明日のお楽しみですか!

蝉の声が消えました 虫の声が大きくなってきています。

ようやく 秋の気配を実感してきました!!
2007年08月30日 19:28
 こんばんは☆こねこです♪

 明日も仕事があるのに、今夜寝られなかったらどうするんですかっ!!(笑)

 でも、想像力(妄想力?)豊かな私なら、きっと夢に出てくるでしょうね。かなりグロテスクに・・・(苦笑)。

 ねこでした。ニャン☆
2007年08月30日 19:52
役人が新座衛門の「それだば違うでゃ」を受けて,さらに訊ねていたら,悲劇にはならなかったでしょうに…。
いつの時代も,お金持ちと役人が同じ立ち位置にいるから,貧しいものは浮かばれませんね。
2007年08月30日 20:25
こんばんは~(>_<)
なんて残酷な…って思っていたら 最後はスプラッターホラーじゃないですか(((p(>o<)q))) 当分 エビは食べれそうにありません。。。 冷凍庫のエビ・・・ 奥底に隠さなければ・・・へ(×_×;)へ

明日のお話は 安心して読めるのかな~~~?
微笑み
2007年08月30日 21:49
こんばんは(⌒‐⌒)昔の小作の生活と言うのは辛いものだったようですね。地主と小作の関係はいろんな悲しいお話もたくさんあったでしょうね。
★なまはげ
2007年08月30日 22:23
☆+あいさんへ
 あれほどうるさいと嘆いていた蝉が鳴かなくなったんですね。もう秋はそこまで来ているんでしょう。
 今日はちょっと長いお話で二日にわたっての話です。長い間、農業の問題となっていた部分の話ですが、全国にも同じような話があります。これから収穫の秋を迎えるわけですが、そんな時に思い出していただきたいお話ですので、あえてこの時期に投稿しました。
★なまはげ
2007年08月30日 22:25
☆こねこちゃんへ
 あはは、子供のお腹を裂かないかぎり、エビは飛んできませんから大丈夫ですよ!!
★なまはげ
2007年08月30日 22:27
☆閑客さんへ
 お金持ちと役人の関係と言うのは、いつの時代も生々しいものがありそうです。庶民の味方にはなってくれそうもありませんね。
★なまはげ
2007年08月30日 22:30
☆moonさんへ
 ごめんなさいね。ちょっと怖かったみたいですね。エビには悪いところはありませんから、安心して食べてくださいね。
★なまはげ
2007年08月30日 22:34
☆微笑みさんへ
 権力はいつも強い立場の味方になりやすいのです。弱い立場の人間はいつも辛い立場に立たされてしまいます。この役人もそのような観点から見てくれればこのような悲劇にはならなかったのでしょう。
2007年08月31日 14:31
百姓が役人にいじめられている場面も怖いですが・・・エビが役人に這いよって殺してしまったという現実離れしたことが昔話なのでしょうかね。
もっと違う形で役人を懲らしめて欲しい気がしました。
いずれにしても・・・★なまはげさんは秋田について沢山勉強されましたね。
★なまはげ
2007年08月31日 16:55
☆Tatehikoさんへ
 このお話の結末を、私が勝手に変えるわけにもいかず、原文のまま掲載しました。人情的には仰るとおりになると良かったように思いますね。
 秋田の民話はかなり仕入れてあります。時期とかを考慮しながらこれからの掲載していきます。

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