★なまはげの独り言

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zoom RSS 猿あんこ その2

<<   作成日時 : 2008/04/03 17:43   >>

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晩げ、紋付姿の猿が手下をつれて迎えに来た。
猿たちは手車を組んでオスエを乗せて、
「嫁、嫁、嫁」て、ふれながら行ったと。


   夜になって、紋付姿の猿が手下を連れて迎えに来ました。
   猿たちは手車を組んでオスエを乗せ、
   「嫁を貰った、嫁を貰った!」とふれながら山に向かいました。   
 


猿あんこは「お姫子お姫子」とオスエを可愛がった。
水汲みも木割りも炊事も、
仕事という仕事は猿あんこがしてくれた。

 
   猿兄は「姫、姫」とオスエを可愛がりました。
   水汲みもまき割りも炊事も
   仕事という仕事は猿兄が全てしてくれました。


寒い冬から春になった。
山の雪も見る間に溶けだし、
谷川の水がごうごうと流れる。


   寒い冬が終わり春がやってきました。
   山の雪もどんどんと溶けだし、
   谷川の水はゴウゴウと流れています。
 
「あんこあんこ、雪ことげだがら爺さまさ会いに行きてです」
オスエが言ったら
「んだべんだべ、早く行くべ。爺さまさ何持って行ったらええべな」
あんこが聞いたと。
「爺さまなば餅っこ好きだす」
「んだがんだが、したら餅っこつくべ」


   「兄、兄、雪も解けてきたことだし、
   久しぶりに爺さまに会いに行きたくなりました」とオスエが言うと、
   「そうだな、一刻も早く行くとしよう。
   爺さまには何を手土産にしたら良いだろう?」と猿が尋ねると、
   「爺さまは餅が大好きです」
   「そうか、それならば餅を搗こう」

 
餅つきあげた猿あんこ
「お姫子、一番の重箱さ入れるべ」家宝の重箱を出した。


   餅を搗きあげた猿が
   「姫、一番貴重な重箱に入れることにしよう」
   と、家宝にしている重箱を出してきました。
 
「重箱なば、爺さまは漆臭(くせ)って食ね」
「朴葉(ほおば)さ包むが」
「朴葉臭って食ね」
「鍋にすが」
「鍋なば鉄(かね)臭って食ね」


   「重箱に入れると、爺さまは漆臭くなって食べなくなります。」
   「朴葉に包むことにしようか?」
   「朴葉の臭いで爺さまは食べません。」
   「鍋に入れて持っていこうか?」
   「鉄の臭みで食べません。」
 
「したら何なばええ」
「臼さ入れだままでええすべ」
「したら背負うべ」


   「それではどうしたら良いのだろう?」
   「臼に入れたままで良いのです」
   「では臼を背負って行こう。」  

画像

 
猿あんこ、臼を背負って歩き出した。
雪しろ水ごごごて流れる谷川さ沿って行ったば、
急な崖に山桜が咲いていたと。


   猿は臼を背負って歩き出しました。
   雪解け水がゴウゴウと流れる谷川に沿って行くと、
   急な崖に山桜が咲いていました。
 
オスエは崖の山桜を見上げながら
「あんこあんこ、爺さまなば桜の花っこ大好きだす。
あの花こ持って行けば喜ぶすべな」

「したら俺が折しょってくる」


   オスエは崖の山桜を見上げながら
   「兄、兄、爺さまは桜の花が大好きなんですよ。
   あの花を持っていったら喜んでくれるでしょうね。」
   「それならば私が手折ってきましょう。」
 
猿あんこが臼を下におろそうとしたら、
「臼、下さ置げば土臭くなる。
草の上さ置げば青臭くなる」
てオスエが言ったと。


   猿が臼を下におろそうとすると、
   「臼を下に置けば土臭くなってしまいます。
   草の上に置くと青臭くなってしまいます。」
   とオスエは言う。

「したら背負ったまま登るべ」
猿あんこ、臼が這うように登り出した。
桜の木にたどりついて
「この花こでええが」て叫ぶ。
オスエは「もっと上の枝こ、上だど」て叫ぶ。


   「それならば背負ったまま登ることにしよう。」
   猿はまるで臼が這っているように崖を登りだしました。
   桜の木まで辿り着いて
   「この花で良いのか?」と叫びます。
   オスエは「もっと上のほうの枝が良いです。上ですよ。」
   と叫びます。
 
「これでええが」
「もっと先の方がええ」
「こごでええが」て叫ぶと
「もっと先この花こええ」て、上に上にと登らせた。


   「これで良いか?」
   「もっと先っぽの方が良いわ。」
   「ここで良いか?」
   「もっと先に咲いている花のほうが良いわ。」
   と、上へ上へと登らせました。
 
猿あんこ、桜の木を上に上にと登った臼の重さで桜の枝が折れてしまった。

   猿が桜の木を上へ上へと登ったので、
   臼の重さで桜の枝が折れてしまいました。
 
猿あんこは谷川に転げ落ちて、
猿が上になったり、
臼が上になったりしながら流されて行った。


   猿は谷川に転げ落ちて、
   猿と臼が上に鳴ったり下になったりしながら流されてしまいました。
 

「猿沢や猿の命はいらねども
後に残ったお姫子あわれ」

て、歌を詠みながら見えなくなったと。


   「猿沢の猿の命は惜しくは無いが、
   後に残った姫が哀れ」
   と、歌を詠みながら消えていったのです。




とっぴんぱらりのぷう

   おしまい








登場人物皆が、悲しい結果になってしまったようです。









んだば







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コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
なんと・・・意外な結末でした。
誰か何かを戒めるのかと思いきや・・・悲しい結末のおはなしですね。
Tatehiko
2008/04/03 17:52
昔、「私はお金持ちのカバに望まれて泣きながらお嫁に行くの…」
と言っていた友人がおりました。
もちろん、今も独身です(笑)
このお話は猿ですね。
お姫子的には、不自由ない生活と、猿の夫、
どのように思っていたのでしょうねえ…

コマチ
2008/04/03 18:36
こんごとも、よろしくお願いします。
東北のお話はこんな悲しい結末のものも多いですよね。
むうさん
URL
2008/04/03 19:03
 こんばんは☆こねこです♪

 えっ!!
 でも、これって・・・ホントはお嫁に行きたくなかった気持ちが・・・って、考えすぎですかね?(笑)

 状況的にどうしても裏を読める展開だったもので・・・。

 ねこでした。ニャン☆
こねこ
URL
2008/04/03 19:16
これは オスエの企みに まんまと猿兄が引っかかったとしか考えられないんですけど・・・

この後 オスエは親元へ帰ったはずですよね。

結局 オスエが賢かった?
+あい
URL
2008/04/03 19:48
こんばんは( ̄ー ̄)
意外な結末に唖然(^o^;)
ちょっと猿兄が可哀想に思えました。一生懸命オスエさんに尽くしていたのに(((^_^;)
微笑み
2008/04/03 20:13
お久しぶりに こんばんは〜♪
「ちょっと! それはないんじゃない! 猿兄がかわいそう…」って思ったのは皆さん同じだったんですね。 「オスエが賢かった!」って喜んでいいのかしら?
たとえお猿でも これだけ大事にされたら 文句無しの旦那様なのにね〜(-_-;) 
moon
2008/04/03 21:23
☆Tatehikoさんへ
 実はハッピーエンドになるお話の方が少ないくらいなんですよ。実生活もそれほど厳しいものだったのでしょうか?
★なまはげ
2008/04/04 17:28
☆コマチさんへ
 未だに「お金持ちのカバ」さんが現れていないのですね。猿というのは大袈裟ですがそれ以外なら居心地はよかっただろうにね。オスエさん勿体ないことをしてしまいました。
★なまはげ
2008/04/04 17:32
☆こねこちゃんへ
 でも恨むならお爺さんのほうを恨むべきで、猿はとても誠実に行動していたと思います。ちょっと悲しい結末でしたね。
★なまはげ
2008/04/04 17:35
☆むうさんへ
 新生活は落ち着きましたか?久々の独身生活は何かと大変でしょうが、体調管理に気をつけて頑張ってくださいね。
★なまはげ
2008/04/04 17:37
☆+あいさんへ
 これでオスエさんは幸せになれたのでしょうか?凄くもったいないことをしてしまったような気がします。
★なまはげ
2008/04/04 17:40
☆微笑みさんへ
 猿兄に同情しちゃって、どうにもやり切れません(爆笑)。
★なまはげ
2008/04/04 17:43
☆moonさんへ
 ですよねえ!!何で猿兄がこれほどの仕打ちを受けなければいけなかったか納得できません。まるで私が味わった苦汁のようです(爆笑)。
★なまはげ
2008/04/04 17:46

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