★なまはげの独り言

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zoom RSS 思い出のおにぎり

<<   作成日時 : 2008/01/27 17:45   >>

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今年もやっぱり、や・っ・ぱ・り・雪は降った。
大晦日から正月、そしてなお一か月近くなろうという今も休みなく降り続け、
人々は正月から雪下ろし・雪寄せと働き続けた。
隣家の人とちょっと挨拶を交わし、あとは黙々と雪を寄せる。

寒いと感じるのは、外に出た瞬間だけ。
スノーダンプ(※)をぐいぐい押せば、
たちまち体は温まり、汗が流れる。
帽子を取り、上着を脱ぐ。
締まった雪がギュッギュッと音をたてる。
雪の軋む音と、
スノーダンプが滑るゴゴゴという音以外は、静かだ。
懐かしい音。
昔は冬はいつもこうだった。
あたり一面白くて、静かで……。
 

ふとしたはずみで、忘れていた記憶がよみがえることがある。
見覚えのある風景や馴染みの味、
歌のきれはしなどきっかけはいろいろだ。
雪の軋む音で私は、子供の頃に戻っていた。
 
裏の川原に積もった手付かずの新雪に、
ザクッとシャベルを入れる。
このシャベルは、
父が薪ストーブの火で温めてはロウを塗って手入れしていたので、
ひと振りすれば雪はシャーンとシャベルを鳴らして遠くへ飛んでいった。
積もって適度に締まった雪は、
きれいに四角く切り取れる。
そうして、広い川原を自分の敷地のように、
そこに夢の家を作っていった。
 
階段のついた玄関を入るとリビングルームで、
テーブルとそれを囲むようにカーブしたソファがある。
その隣には自分用の小さい部屋も作った。
その頃は囲炉裏はなくなってきたものの、
まだ掘り炬燵や薪ストーブが全盛の時代で、
洋間のリビングルームなどは夢のまた夢だった。
それはグリーンスタンプのカタログで見る世界だった。
憧れの、新しい素敵な家、
そして自分専用の子供部屋。
でも雪で作るなら簡単だ。
どんなデザインだろうと無料だ。
そんな夢を膨らませて、
無我夢中で雪の降る中、半日も遊んだのだろう。

母が、お腹が空いたろうと、
味噌おにぎりを持ってきてくれた。
汗をかき、外の冷たい空気の中で食べた温かい味噌おにぎり。
あれほど美味しいものはなかった。
 

あれから数十年、
今では傍でせっせと雪寄せをしていた父の年代になっている。
うちのわんぱく坊主たちも逞しく成長し、
雪寄せの手伝いをするようになった。
運んだ雪をザッと捨てながら、
今年は子供と一緒にスキーをやろうと思いついた。
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スキーといえば、決していい思い出ばかりではない私であるが、
またスキーにチャレンジするには子供とやれる今がいい。
雪寄せで体を動かしたせいか、
連鎖反応でもっと体を動かしたくなったのだ。
 
重い腰を上げればあとは大して苦にならないもので、
気が向いた勢いでスキーを買いに行った。
今はセットスキーという有り難いものがある。
超初心者同様の私は、
板や靴などは滑れれば何でも良い。
というわけで、ほんのお小遣いでスキー道具一式揃った。

あとは昔のウエアを引っぱり出して準備OK。
早速、車にスキーをつけて出発だ。
 
久しぶりのスキー場は昔よりも小さく感じた。
今は無理矢理山のてっぺんから滑りなさいと命令する鬼のような先生はいない。
「やったー! 好きなところを好きなように滑るぞ。
それがスキーというものだぞー」と叫びたい。
体を動かすことが、懐かしいぐらいに久しぶりだ。
毎日、座って頭を使うことばかりでうんざりだ。
つまらない揉め事や、
きりのない家事全般もうんざりだ。
でもこうやって体を動かせば、
余計な雑念は吹っ飛ぶ。
ただ登り、ただ滑り、そして疲れてよく眠る。
せっかく秋田に暮らしているのだもの、
「近くの山にちょっと滑りに」これからはこういきたい。



※スノーダンプ……スコップとソリを兼ねたような除雪道具。
          雪の上を滑らせ雪を掻き取り運ぶ。



高橋いずみさんのエッセイ集「ちょっとしあわせ」から










んだば















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居酒屋 『夢』
2008/01/27 21:17

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コメント(16件)

内 容 ニックネーム/日時
 こんばんは☆こねこです♪

 ずっとお父さんのエピソードかと思って読んでました(微笑)。

 でも・・・情景が浮かんできて、ほっこりした気持ちになりました。

 そして・・・・・・味噌おにぎりが食べたくなりました(笑)。

 ねこでした。ニャン☆
こねこ
URL
2008/01/27 17:58
はじめまして。
ほんの通り合わせのカッパです。
雪の本場、秋田ですね。
 こちら(姫路)は雪が積もりません。
雪国の生活は大変でしょうね。
カッパ
2008/01/27 18:05
雪は降りませんが そこそこ寒くて冷たくて 朝の散歩以外は 殆ど固まって過ごしています。
今に化石になりそうですよ(爆)

屋根の雪おろしは これでも女の子だったのでやりませんでしたが 玄関から道路までくらいは頑張りました。

屋根に上って 下の雪の積もっている所へへ飛び降りるのが面白くて何度もやったこと思い出しました。
そういえば 昔飼ってたワンコ 高い所が平気だったせいか 一緒に屋根から飛び降りてました!!
+あい
URL
2008/01/27 19:21
こんばんは( ̄ー ̄)
途中までなまはげさんのエッセイだと思っていました(゜ロ゜;
味噌おにぎりが食べたくなっちゃいましたよ(^o^;)子供の頃は毎日スキーであそんでいましたねぇ。今ではもう滑れないだろうなぁ(--;)
微笑み
2008/01/27 20:40
 なまはげさん、どうもです (^^)/

 私も、なまはげさんご自身の事だと思って読んでいました (^.^; ポリポリ
 積もった雪を掘って、秘密基地はよく作りましたよ (^^)v
 かまくらの巨大なモノと言った方がイメージしやすいかも。子どもの創造力は凄いんですよ(苦笑)
夢見るピーターパン
URL
2008/01/27 21:14
私も、なまはげさんの話かと…

ほんとに、しんとして雪のきしむ音しか聞こえないなか
黙々と体を動かすのって案外気持ちいいものですが
毎日となるとね…
父も年をとり、雪下ろしが1日では終わらないようになり
母に至っては腰を痛めて力仕事はできない有り様
過酷な冬です。
コマチ
2008/01/28 11:58
☆こねこちゃんへ
 こんな素敵なエッセイは私じゃ書けませんよ(爆笑)。
 私の子供の頃も同じような風景でしたね。雪でいろんなものを造りました。いろんな遊びも工夫しながらやったものです。
★なまはげ
2008/01/28 17:15
☆カッパさんへ
 はじめまして、姫路の方ですね。そちらでは滅多に雪は降らないのでしょう。大変ではありますが、雪が降らないと寂しかったりもしますよ。スキーやスケート、雪を使った造形物など等、雪国ならではの楽しさもあります。
★なまはげ
2008/01/28 17:21
☆+あいさんへ
 屋根の雪下ろしをした後に、雪の山へのジャンプは私も遊びました。雪に腰の辺りまで埋まったりして大変面白かったですね。今の親じゃ、危ないからや止めろと叫ぶでしょうが、昔は誰も咎めませんでしたね。
★なまはげ
2008/01/28 17:26
☆微笑みさんへ
 私には文才はありませんから(汗)。
今では大きなスキー場がたくさんありますが、昔は近所の小山や坂道を利用してスキーをしたものです。
★なまはげ
2008/01/28 17:32
☆夢見るピーターパンさんへ
 遊ぶ材料には困りませんでしたものね(笑)。朝から晩まで防寒具をぐっしょりと濡らしながら遊んでいました。
★なまはげ
2008/01/28 17:36
☆コマチさんへ
 私は雪が締まる「グッ!」という音が大好きです。
 雪掻きも毎日が日課のようになっています。大変だけど、冬場の良い運動になっている??
★なまはげ
2008/01/28 17:40
みんなでやる家事労働。
その終りにお母さんのおにぎりなんて、
幸せなんて、近い所にあるじゃない。
なんて、思っちゃいますね。
むうさん
URL
2008/01/28 18:01
この挿絵が好きだな♪
高橋さんお気に入りですか?!

久しく雪かきってしてなくって。
屋根から落ちて溜まった雪の中に飛び降りたり、ツララを齧ったりしたのに、子どもの頃。
想い出っていい事の方が多いですよね(^_^)v楽天家?!
秘密主義
2008/01/29 00:43
☆むうさんへ
 そんな小さなことが大きな幸せなんですよ!!
★なまはげ
2008/01/29 17:25
☆秘密主義さんへ
 この挿絵も高橋さんの本からいただいたものですよ。高橋いずみさんのエッセイは雪国の生活が飾らない文体で書かれていますから大好きです。
★なまはげ
2008/01/29 17:30

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