★なまはげの独り言

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zoom RSS 皆さんご存知の・・・

<<   作成日時 : 2007/12/30 17:25   >>

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今日はどなたもご存知の秋田の民話です。
お正月前のこの時期だからこそのお話を思い出してください。



むかし、むかし あるところに
円三郎おじいさんとおばあさん夫婦(ふうふ)がすんでいました。
なかのよい夫婦でしたが、とてもびんぼうでした。

ある年の正月も間もなくこようとしている冬のことです。
雪は、のんのこ、のんのこ、毎日毎日そそぐように降って、
山すそのおじいさん夫婦の家は、今にも、うもれてしまいそうです。
夜になると一軒家のおじいさんの家の窓から、ぼんやり明りがもれています。
円三郎おじいさんはいろりばたで、おばあさんと話をしていました。

「よく毎日、雪も降るものだ。これでは山にも畑にもはたらきにいけないよ。」
と、こまった顔をしているのでした。
「おじいさん、外に出られないときは、すげ笠でもつくったらどうですか。」
おばあさんが言いました。
「そうだな、そうするか。」
おじいさんは、すげ笠づくりの準備(じゅんび)をするのでした。
画像
円三郎おじいさんは、若いときから「笠つくりの名人」で、
笠を編む材料のすげを一本一本ていねいに編んで笠をつくるのでした。
そばで、おばあさんは、背を丸めて針しごとをしています。

窓からは、大きなマワタのような雪が降っているのが見えます。
笠を編む手を休めた円三郎おじいさんは、
「あーあ、一年って短いものだ。とうとう今日でおわりか、おおみそかだものなあ。
明日はめでたいお正月・・・。」とつぶやきました。
おばあさんは
「おじいさん、正月がきても家では、おもちもないし、どうしたらいいんでしょう。」
とさびしそうに言いました。
「心配することはないよ。これから、町に行ってつくった笠を売り、
おもちをどっさり買ってきてやろう。」と言いました。
それをきいたおばあさんは、ニッコリしました。

雪の降っている中を円三郎おじいさんは、
雪よけのケラをまとい笠をかぶって、作ったすげ笠を背おい、町に出かけました。
高く売れたら、おもちのほかに魚も買ってこよう・・・
そんなことを思って歩いていました。
町に入る手前の野中というところまで来たら、
六人のお地蔵(じぞう)さまが、頭に雪をのせて寒そうに立っていました。

円三郎おじいさんは、町にいそぐことも忘れて、
「あやァ、地蔵さま方や、頭に雪をたくさんのせてかわいそうに。
どれどれ、雪をはらってやろう。」
といって、 お地蔵さまをおがんでから、
つもった雪を一人一人ていねいにはらってあげました。
雪は、はらっても、はらってもお地蔵さまの丸い頭につもってしまいます。
「ウーン、これはまいったなあ。
そうか、わしのつくった笠をかぶせてやるといいわけだ。
おもちはなくてもお正月は来てくれるから、そうしょう、そうしょう・・・。」
おじいさんは言いました。
画像
一人一人に笠をかぶらせていき、最後のお地蔵さまの前にくると、
「あれっ、これは困ったことになった、ひとつたりないぞ。
そうだ!わたしのをかぶせてやればいいのだ。」
円三郎じいさんは、
「お地蔵さん、わたしので申しわけないが、がまんしてください。」
と言いました。

おじいさんは、自分の頭から笠をとると、お地蔵さまにかぶせてあげました。
「どうじゃ、お古をかぶったお地蔵さま、
雪よけになるから、冷たくないぞ。ほうら、ポカポカしてきたろう」
ニッコリ、円三郎おじいさんは、ほほえみました。

六人のお地蔵さまは、笠をかぶり、ホッとしたような顔に見えます。
「それじゃ、お地蔵さま方、カゼをひかないで、
良いお正月をむかえてくださいよ。」
と、町へ笠を売りに行くこともなく、おじいさんは家へかえりました。

ほっかぶり姿で家にかえってきた おじいさんは、
とても上機嫌(じょうきげん)で、
お地蔵さまに笠をあげたことをおばあさんに話しました。
おばあさんは、おもちのことを思うと少し残念(ざんねん)に思いましたが、
すぐ笑顔になり、
「それはそれは、よかったこと、よかったこと。
お地蔵さまもさぞ、よろこんでいるでしょう。」
と言って、円三郎おじいさんをいたわってあげました。

雪もすっかりはれあがったようでした。
家のなかでいろりの火にあったまりながら、おじいさんは
「おばあさん、楽しみにして待っていたおもちを買っ
てこれずに、ゆるしてくれよ。」
とおばあさんに頭を下げました。

「なんの、なんの、なにもあやまることはありません。
おじいさんは、良いことをしてきたのだから、
わたしも、とてもうれしくて、うれしくてたまりません。」
とおばあさんは言いました。
いろりの火は、トロトロもえて、とてもあたたかそうでした。

夜中になると、明るい月夜になりました。
おじいさんとおばあさんは、まだ話をしていました。
「おもちもなくて、お正月さんに、申しわけないなァ・・・。」
「おじいさん、おもちがなくてもホカホカしたおかゆをつくって、
おそなえをしますから、心配はいりませんよ。」
おばあさんはおじいさんにそう言って、なぐさめていました。
ねていたおじいさんとおばあさんは、
夜中に、遠くから聞こえてくるにぎやかな声に目をさましました。
どうやら、ほら貝の音もします。

ブホー、ブホーッ、どごだで円三郎、笠つくりのじさま ブホー、ブホーッ、笠つくりの円三郎、 エンヤラ、エンヤラ、 すぐそこだで、円三郎じさまの家、やれ、おぼで、 ブホー、ブホーッ エンヤラ、エンヤラ・・・
画像
かけ声は、だんだんおじいさんの家のそばまで来たかと思うと、
にもつをドスン、ドスンとおろす音がしました。
円三郎おじいさんは、おばあさんと二人で寝床(ねどこ)から起きて、
そっと入口の戸をあけてみました。
なんとびっくり、家の前に米だわらや、
おおばん、こばんのお金がどっさりつんであるではありませんか。
二人は腰(こし)をぬかさんばかりで、
「ありャ、これはいったい、どうしたことなんだ!」
とおどろきました。

「これは誰がもって来てくれたんだろう・・。」
あたりを見ても、暗やみの中は、人かげもみあたりませんでした。
すると遠くのほうから、

エンヤラヤー、エンヤラヤー、 すげ笠くれた円三郎じさま、 アヤ、エガッター、アヤ、エガッター、 ブホー、ブホーッ、エンヤラヤー、エンヤラヤー

と歌うような声がしました。
画像
その声のほうを見ると、お昼のお地蔵さま方のうしろ姿が遠くに見えました。
「ああ、野中のお地蔵さま方が、笠のお礼にこんなにたくさん、
めぐんでくれたのか・・・。ありがたいことだ。」
「いいことはするものですね。おじいさん、これでお正月もできます。
ありがたや、ありがたや・・・。」
おじいさんとおばあさんは、お地蔵さま方のうしろ姿に手をあわせ、
寒い雪の中をいつまでも、いつまでも頭をさげているのでした。

とっぴんぱらりのぷう








んだば







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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
 こんばんは☆こねこです♪

 どこかで聞いた昔話ですけど、読んでてほっこりしました(微笑)。

 私もTくんと結婚したらこんなほっこり夫婦になりたいと思います(照笑)。

 ねこでした。ニャン☆
こねこ
URL
2007/12/30 17:40
ほんと、どこかで聞いたことがあるような…
今日の秋田は雨模様でしたが
明日は「のんのこ」降るようです
初春を迎える晩らしく
静かな夜になることでしょう…
コマチ
2007/12/30 19:46
こんばんは( ̄ー ̄)うわぁ@@「かさじぞう」のお話は秋田の民話だったのですか(^o^;)どなたにも知られている有名なお話が秋田のだとは嬉しいです(^-^)v
いま湯沢の実家に来ていますが、途中十文字で白鳥見てきましたよ)^o^(
微笑み
2007/12/30 20:38
この話は子供の頃から好きです。
いいことをすれば、いいことが起こる。
分かりやすくて、希望がもてました。
大人になって、いいことってなんなのかわかり難くなってきましたし、必ず報われるってことにも疑問が湧いてきましたが、また読めば同じように温かい気分になります。
昔話は、いいもんですね(笑

よいお年を!
ぷん
URL
2007/12/31 11:08
☆こねこちゃんへ
 「かさじぞう」という昔話ですよ。秋田の由利地方の民話です。こんな夫婦になれたら幸せでしょうね。そうなることを信じていますよ。
★なまはげ
2007/12/31 16:52
☆コマチさんへ
 コマチさんが秋田に帰っている間中天気は悪そうですね。ゆっくりと実家を楽しんでください。
★なまはげ
2007/12/31 16:57
☆微笑みさんへ
 秋田の民話でけっこう有名なお話は多いんですよ。例えば・・・・・、それはいつかのお楽しみに。。
 白鳥はいかがでしたか?今年も相当の数が来ていたでしょう。
★なまはげ
2007/12/31 17:01
☆ぶんさんへ
 このような心温まる昔話は大人の心にもしみこんでくるものがあります。新年を迎えるに、こんな心でありたいものですね。新年もよろしく。
★なまはげ
2007/12/31 17:04

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