★なまはげの独り言

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zoom RSS ちょっと しあわせ

<<   作成日時 : 2007/11/25 17:11   >>

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横手市在住のエッセイストに、
高橋いずみさんという方がいらっしゃいます。

年齢もお顔も私は存じ上げないのですが、
彼女のエッセイは、
読むたびに心が和み、
明日への活力が沸々と沸き上がってきます。


「ちょっと しあわせ」というエッセイ集を出版していて、
徐々に読者も増えていっているようです。


今日はその中から、「チビとクロの話」というエッセイを紹介します。


「チビとクロの話」
画像
深夜の帰宅。
みんな眠ったらしく、
灯りの消えた家のドアをそろりと開けて、
静かに荷物をおろす。
別に悪い事をしているわけではないけれど、
遅い帰宅はなんとなくバツが悪いものだ。
「今日は家族とあまり話ができなかったな」と
少し寂しさを感じながら一人で寝る支度をしていると、
居間の方からカタカタカタ……という勢いのいい音が聞こえてくる。
夜になって起き出したハムスターが元気よく車を回して遊んでいる音だ。
その途端、
まるで思いがけず家族が寝ずに待っていたかのような嬉しさでいっぱいになる。
手を差し伸べると、
ヒゲをふりながら鼻をヒクヒクさせて、
臭いを確かめにやってくる。
家族だということが分かるらしく、
私の手に前足をかけて一生懸命に指を舐める。


我が家にチビとクロがやってきて、もうすぐ2年。
どちらかというと動物の苦手な長男が、
珍しくハムスターを飼いたいと言い出したので、
これはチャンスと飼うことに決めた。
クリスマス間近の頃だった。
ペットショップからやって来た2匹は、
箱に入ってリボンを掛けられ、
時々空気穴から鼻を突き出して出番を待っていた。
チビとクロは子供たちへの秘密のクリスマスプレゼントだった。

「これ、なーんだ」テーブルの上に小さな箱を置くと、
それを見ようと家族全員が押し寄せた。
蓋(ふた)を開けたが何も出てこない。
箱を傾けると、ハムスターの子たちが爪を立てて嫌々滑り出てきた。
全員が「わーっ」と歓声をあげ、
次に「あらあら」とか「おやおや」とかいろんなことを口々に言った。
子供たちはゲームやプラモデルや
今までのどのプレゼントをもらった時よりもニコニコして嬉しそうだった。
子供たちにとっては初めてのペットだ。


両親が動物好きなこともあって、
私は子供の頃から生き物と暮らしてきた。
犬や猫、鳥、金魚、虫など、
大きなものから小さなものまで何でも一匹ずつ名前をつけて、
餌をあげたり散歩に行ったり、
時には怪我や病気の手当てもした。
死ぬ時も見ていた。
生き物は死んだ時かわいそうだから飼わないという人もいる。
けれど一緒に暮らす間の幸せの方が私にとってははるかに大きい。
そんな動物との暮らしを子供たちにも体験させてあげたかった。


ところが、
小さな家族から幸せを分けてもらったのは子供たちだけではなかった。
私はもちろん、夫も、姑(はは)も、病気の舅(ちち)も、
子供たちの友だちやお客さんまで、
みんなが夢中になった。
みんなてんでに籠の中を覗いて名前を呼ぶ。
するとねぐらから鼻だけ出して様子を伺い、
ちょろりと出てくる。
ハムスターといってもねずみなのだから、
自分の名前を覚えたり、
家族の臭いを嗅ぎ分けたりなんてするはずがないと思っていた。
ただ餌を食べたり眠る姿を「かわいいね」と籠の外から眺めるだけだと。
それでも満足だった。
しかし一緒に暮らすうちだんだんなつき、
手を差し出せば乗っかってきたり、
手を舐めたりするようになったのには驚いた。
一匹一匹個性や変な癖がある。
顔かたちや体つきも違う。
お腹や喉を撫でてあげれば気持ちよさそうに目を細める。
小さくても大きくても動物の心はみんな同じなのだ。

チビたちが好きな野菜を料理で使う時、
忘れずに端っこを取っておく。
というよりもまず、チビたちの分を分ける、と言う方が正しい。
ピーマンのヘタやブロッコリーの根元など捨てる所をあげるのだけれど、
つい大きめに切り取ったりして、
我ながら親バカと気づく。
お茶を飲む時やご飯を食べる時、
「チビとクロにも」と何でもちょっぴり分けてあげたくなる。
せんべいやクッキーのかけらを
小さな手で大事そうに持ってポリポリ食べるのを見て
「おいしい?」と話しかけながら私も一緒に食べる。
同じ物を分け合って一緒に食べれば、
お茶の時間もほんわか楽しくなる。


子供たちが赤ちゃんの頃は、
子供たちの小さな出来事が家族の話題だった。
それが今は、
子供たちも私たち親もそのまた親も一緒になってチビたちの話で盛り上がっている。
疲れた時、腹が立っている時、
小さなチビたちがみんなにやさしさをくれる。
「たまごっち」や「アイボ」にはない生きているものの温もりが、
大切なものを教えてくれる。






以前、大切に飼っていた犬が死んでしまいました。
それ以来、動物はもう飼うまいと心に誓っていた私ですが、
一緒に遊んだり、走り回ったり、
楽しかった日がまた欲しくなってしまいました。







んだば





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はやりのものはナンダ
2007/11/27 21:24

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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
 こんばんは☆こねこです♪

 また・・・泣いてしまいました・・・。

 ウチのマルコのことは以前に何度か記事にしてたのでご存知かと思いますが、私にとっては弟のような息子のような、そんな存在だったので記事を読みながら「あのころ」を思い出していました。

 ウチは母も私も、まだ新しいネコを飼う予定はありませんが、いずれ飼うときはマルコ以上に大切に、幸せに育てたいと思います(微笑)。

 ねこでした。ニャン☆
こねこ
URL
2007/11/25 18:23
 なまはげさん、どうもです (^^)/

 「チビとクロの話」と聞いて、「チビクロサンボ」を思い出してしまったのは私が古い人間だからか・・・ (^.^ゞポリポリ
 かつて、教科書にも載った「チビクロサンボ」ですが、人種差別的な内容が問題視され、絶版になって久しい・・・ (__;)

 個人的には、可愛がっていたペットを亡くしたからといって、悲しみのあまり二度とペットを飼わないと思う人の気持ちが理解できない・・・ (^^;
 この事については、前から思っていた事でもありますので、いずれ近いうちに私のブログでも語ってみたいと思いますが・・・ (^^;;;
夢見るピーターパン
URL
2007/11/25 18:38
こんばんは(⌒‐⌒)高橋いずみさんと仰るのですね。何気無い出来事を命の大切さを考えさせるエッセイにしあげていますね。もっともっと読んでみたくなりますね(^o^;)ちょっとしあわせというタイトルも素敵です。 今日、ブルーメッセで紫のシクラメンを購入してきました(^o^)v
微笑み
2007/11/25 19:07
一緒に暮らす間の幸せの方が 私にとっても大きいです。
死んでしまうことも ちゃんと覚悟の上で 精一杯の愛情を注いであげる それが生き物を飼うということではないでしょうか?
だから 生き物は死ぬから飼わないという人がいますが それは ちょっと違うよ というのが私の意見です。

この高橋いずみさんのエッセーを読んでいると 私のブログも そろそろ考えないといけないのかなぁーって改めて感じています。

元々 こういうホッコリした 日記風のブログにしたかったのに・・・いつ 方向性を間違えてしまったのかな?多分 出だしからでしょうね。
近頃 良く考えていたことなんです。
+あい
URL
2007/11/25 19:39
ウチは看護士をしていた潔癖症の母がとにかく動物嫌いで、いろいろ拾ったり貰ったりしては、叱られて、泣く泣く返したものでした。今でも憧れはありますけど、諸般の事情により飼うのはダメかも…
コマチ
2007/11/25 19:39
こんばんは〜♪
「うんうん その通り!」と読みながらうなずいてしまいました。大人ばかりのmoonちもLunoっちに救われている時が多々あります。失う事はとても辛いですが その分得るものも助けられる事もとてもたくさんあるんですよね〜。
moon
2007/11/25 21:27
☆こねこちゃんへ
 命を預かることの大切さや尊さは、実際に一緒に暮らしてみて愛情も持たないとなかなか判りづらいものがありますよね。マルコが亡くなってからもうじき一年ですね。早くマルコの次の猫ちゃんが傍に来るといいですね。
★なまはげ
2007/11/26 18:54
☆夢見るピーターパンさんへ
 夢さんのお考えもわかりますし、二度と飼えないと思う気持ちも充分に理解できるんです。例え夢さんが理解できないにしろ、その気持ちは否定できるものじゃないと思いますが。
★なまはげ
2007/11/26 18:59
☆微笑みさんへ
 あはは、ブルーメッセに行かれたんですね。紫のシクラメンですか。大切に育てると、6年以上も花を咲かせてくれるようですよ。お互いに大切にしましょうね。
 高橋いずみさんのエッセイは、時々紹介したいと思っています。お楽しみに!!
★なまはげ
2007/11/26 19:02
☆+あいさんへ
 犬を育てている頃は、頭の中でいつか死ぬということを判っていたとは思うのですが、いざ急に死なれたときの悲しみは言葉では言い尽くされぬものがありました。もう二度と飼わないというよりも、まだ飼えないというほうが正しいのかもしれませんね。
★なまはげ
2007/11/26 19:07
☆コマチさんへ
 世に動物嫌いな方はたくさんおられます。諸般の事情で飼いたくても飼えない方もおられます。いつか飼うことのできる状態になられたときに飼えばいいのだと思いますよ。
★なまはげ
2007/11/26 19:10
☆moonさんへ
 ブログをあちこち覗きますと、動物を飼われている方のなんと多いことか。それぞれの関わりの中で楽しそうな記述があると、羨ましくもあります。そんな私もいつかはまた動物を飼いだすかもしれませんね。
★なまはげ
2007/11/26 19:14

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