★なまはげの独り言

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zoom RSS 踊る死体

<<   作成日時 : 2006/11/07 18:51   >>

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いまは火葬場がちゃんとしたども、
   現在では火葬場はしっかりしていますが、

むかしゃあ、じゃんごの奥さえげば火葬場なんてねがったもんだ。
   昔は、田舎の奥のほうに行くと、火葬場なんてものはありませんでした。

んだがら野っ原で焼いたもんだ。
   ですから、野原の真ん中で焼いたものです。

棺桶も今みてな寝棺でなくて、
   棺桶も今みたいな寝棺ではなく、

漬物桶の大きくしたえな棺桶であった。
   漬物桶を大きくしたような棺桶でした。

んだもんだがら、死人は膝こ折らせて棺に入れてやった。
   そんなものですから、死人の膝を折り曲げ棺に入れましたよ。

ながなが上手くへえらねで、難儀したもんだ。
   これがなかなか上手くいかずに難儀したものです。

痩せ枯れて柴こみてな爺っちゃ、婆っちゃだば入れやしがったども、
   痩せて枝のようなおじいさんおばあさんなら入れ易いのですが、

昔ぁ中風でオドだのオガだの、丈夫なもんが急に死んだもんだ。
   昔は病気で親父だの母親だの丈夫な者が急に亡くなったりしたものです。

こえんた連中は脂っこよげいで重だくて、
   そのような連中は脂肪がついていて重くて、

死んだ匂いもひでえくて、何ともハアてえへんだった。
   死臭も酷く、何とも大変でした。

死人は男も女も頭こ剃って、白装束でなぎしにゃ三角布、
   死人は男も女も頭を丸め、白装束を着せ、額に三角布を付け、

頭陀袋ぶら下げて、手甲脚絆さぞうり履かせたもんだ。
   頭陀袋を下げて、手甲脚絆に草履を履かせて送り出しました。

こんどぁ死人の隙間さ、かんな屑ギュギュっといっぺい押し込んだな。
   その後は、桶の中の隙間に、カンナ屑をギュギュっとたくさん詰め、

死人が燃えやすいようにだ。
   死体が燃えやすいようにしたのです。

画像


次の日のあさま、野っ原焼き場さ棺桶担いで行ったな。
   次の日の朝に、野原の焼き場に棺桶を担いで行きましたよ。

焼き場たって、四本柱さ杉皮葺きの屋根っこあるだけのもんだ。
   焼き場と言っても、四本柱に杉皮の屋根がかかっている粗末なものです。

真ん中の窪みっこさ松釜木敷いて、その上さ棺桶置いて、
   真ん中の窪みに松の木を敷き、そこに棺桶を置き、

棺桶の周りさ藁束いっぺ立てかけて、
   棺桶の回りには藁束をいっぱい立てかけ、

その藁束さ水ぶっかけでがら棺桶さ火こ点けた。
   藁束に水をかけてから棺桶に火をつけました。

藁束あ、かまどの役割だな。棺桶燃えてるうぢ水かけで回るのせ。
   藁束はかまどみたいな役割りがあったのです。棺桶が燃えている間水をかけています。

天気のええ日あ、けぶ空さ登ったども、雨の日あ、野っ原さ這って行った。
   天気の良い日は煙は真っ直ぐ空に上っていきましたが、雨の日は地面を這っていましたね。

人の焼げる匂えって、馬の蹄焼げる匂えど似でだな。
   人の焼けるときの匂いは、まるで馬のヒズメが焼けるときの匂いのようでした。

人焼げるまで、鉦こカンカン叩いて、
   死人が焼け終わるまで、鉦をカンカン叩きながら、

「なんまいだあ、なんまいだあ」って念仏唱えでだ。淋しねもんだった。
   「なんまいだ、なんまいだ」と、念仏を唱えたものです。うら寂しいものでした。

棺桶あ竹の箍(たが)で締めでえだ。
   棺桶は竹の箍で締められています。

棺さ火こついでるうちはええども、そのうち箍さ火こ付けば、
   棺桶そのものが焼けているうちは良いのですが、そのうち箍に火が回ると、

バシッ!って大きた音たでで、箍はじけるべ。
   バシッ!って大きな音を立てて、箍が弾け飛びます。

その勢いで棺も弾けで、中から死人、踊るえにワッ!っと飛んで出てくるだ。
   その勢いで棺桶も弾けて、中から死人がまるで踊りだすようにワッ!っと飛び出してしまいます。

そしてバサッと火ぼこり上げで落ちるべ。
   そして、バサッと火の中に落ちていきます。

やあ、おっかながったな。
   いやあ、それはそれは怖い光景でした。

皆んなあ、鉦こも念仏も忘れで震え上がったもんだ。
   側にいたもの皆んな、鉦を叩くのも念仏を唱えるのも忘れて震え上がったものです。





んだば






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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。
凄い記事ですね。びっくり仰天です。

無口なモグラ。
2006/11/07 19:41
 こんばんは☆こねこです♪

 お父さんは「はだしのゲン」を読んだことがありますか?ブックオフなどの中古を扱う本屋さんに行けば立ち読みもできるので、もし読んでなかったら読んでみてください。

 なぜこんなことを言ったかというと、あのマンガの中で被爆した人たちの死体を焼くシーンがあって、そのときに棺おけに入れたはずの死体が焦げた顔を起こすようにむっくり起き上がるんです。

 その人は生前に被爆してひどいなりになったので扱いもひどかったんです。
 そんな人だったからと思わせるような描写と死体を焼くとこうなるのかっていう思いで思わず涙がこぼれました・・・。

 その起き上がるときの表情はなんとも苦しそうな顔だそうです。この世における苦しみが一点に集中したのではと思うほどだそうです。
 
 人は皆いつかはこうなるんですね・・・。
 ねこでした。ニャン☆
こねこ
URL
2006/11/07 21:35
☆モグラさんへ
 お帰りなさい。首を長くしてお待ちしていましたよ。お戻りになっていきなりこんな記事では驚いちゃいますね、ゴメンナサイね。
★なまはげ
2006/11/07 21:42
☆こねこちゃんへ
 「はだしのげん」は良く知っていますよ。と言うより、毎週連載されていたころからのファンですよ。この漫画を通して原爆の恐ろしさを知り、人間の心の弱さも知りました。逆にねこちゃんがこの漫画の事を良く知っていたので驚いています。
★なまはげ
2006/11/07 21:45
迫真の描写ですね。イメージを膨らませると,とくに箍がはじけたところなど,周りの人は息を呑み,鉦を打つ手も止まり,思わず目を瞑ったことでしょう。
座棺を焼くのは,珍しいですね。在所では,焼くとき(もう火葬場がありました)は寝棺,土葬のときは座棺でした。土葬を見たのは,母方の祖母のときが最後です。
閑 客
2006/11/07 22:16
☆閑客さんへ
 今でこそ、火葬が一般化されて立派な火葬場がアリらこちらで見かけられますが、戦争前などにはこのような光景が見られたようですね。秋田の風土の中からこのような怖いお話が生まれてきたのだと思います。
 私も土葬に立ち会ったのは、30数年前に一度だけです。そのときは寝棺に納められていましたよ。
★なまはげ
2006/11/08 15:41

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