★なまはげの独り言

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<<   作成日時 : 2006/11/27 19:18   >>

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明治時代の話である。

一応憲法なるものはできていたが、
女権などは確立されておらず、
結婚して何年も子供の出来ない女が
簡単に離婚させられる風習が残っていた。

タミもそのことで悩んでいた。
結婚して間もなく3年になるのに子供が出来ない。
そろそろ姑たちのタミを見る目が冷たくなり、
タミに隠れて夫に離婚の話を持ちかけているらしい。
夫婦仲は良かったから、
まさかそうそう簡単に離婚させられることもあるまいが、
親に責められる夫が気の毒である。

画像
ある日、タミは行商人から耳寄りな話を聞いた。
六里ほど離れた矢島の宿に、
必ず子宝を授けてくれる神社があるという。

タミは夫に訳を話し、一日暇をもらった。
夜明け前に家を出て、タミは懸命に歩いた。
期待が大きかったので足取りも軽く、
午前十時頃には矢島の宿外れに着いた。

街道脇に清らかな川が流れていた。
タミは神社に詣でる前に、
ホコリだらけになった足を洗おうと、河原に降りていった。

ススキをかきわけて川岸に出てみると、
一人の男がいた。
まだ三十になっていない。
六月の暑い陽をあびて、
ふんどし一つで馬を洗っている。

アッと思って足早に上流へ去ろうとした。
だが、男はとっくにタミに気付いていた。

「おや、逃げねくてもいいべしゃ。
 男の裸がめずらしい歳でもねえべ?
 おめえ、どごさいぐ?(あなた、どこまで行くのですか?)
 このあだりのおなごでねえべ?(ここいらの女性ではありませんね?)」

その笑いを含んだ明るい声に、
タミは振り向いて男を見た。
悪人の顔ではない。
「神社さ、お参りに来たす。」
「ああ、やっぱりな。
 近頃おめえみでな(あなたのような)女がよぐ来るものな。」

タミは、小首をかしげた。
「近頃ってば、その神社昔からあったものではねえのだが?」
「ンでねえ。神社なばあったどもよ、ご利益は近頃だ」
と言って、男は何がおかしいのかアハハと笑った。

「せば、やっぱりご利益はあるんでろ?」
来てよかったと思った。しかし、どうして男は笑ったんだろう。

「ご利益か!」
と、男はもう一度笑い、
「したども、今は駄目だハー」
「なしてだ?(どうして?)」
「祈祷師が病気だはげ、駄目だ」
「あえっ、お祈りもできねえのぎゃ?」
タミはがっかりした。
「んでねえの。お祈りだばでぎる。
 したどもなあ〜〜〜(だけれども〜〜)」

と言いかけて、男は我慢できぬというように笑いはじけた。
タミは苛立った。
「せば、えんでねえの?(ならいいんじゃない?)」
「よぐねえ!」
「なしてだ?」
「病気がな、下の病気で、ハハ、ご利益をさずけれねえのしゃ」 







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コメント(12件)

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タミさん 顔いぐねぐねたて まずそごは逃げてけれっ!
水浴び男が服着る前にっ!
ん!?その人がねんぎサンだべが?
んでねんだば、そったに詳しくわがるもんだべが?

なまはげサン こういったことも含めて んだば
想像してというお話でしょうか〜。
藤村 雪乃
2006/11/27 20:27
 こんばんは☆こねこです♪

 ごめんなさい。話がよく分からないです・・・。
 なんだか続きがありそうな展開ですが、どういうお話なのか・・・。

 ねこでした。ニャン☆
こねこ
URL
2006/11/27 20:47
秋田らしい艶話ですね。
楽しませていただきました。
むうさん
URL
2006/11/27 22:16
ネコちゃんには わかんねがったかや〜!
続きは アタマん中で想像すったら わかんべ。

祈祷師の代わりは この男だったりして。。。

んだば
+あい
URL
2006/11/27 23:44
あらーやんだおらー
おしょしーー
むがしがら、祈祷師さんの厄払いの話こなば
いぐ聞いだがったども
これなばまだ、あまりそのまんまな話こで…

コマチならその男性に御祈祷お願いしちゃうかも。
コマチ
2006/11/28 12:21
☆藤村雪乃さんへ
 昔はこのようなお話が各地にあったと聞きます。この若い男がその後どうしたかという話は伝わっていません。ここでは、祈祷のご利益そのものの真偽にまつわる寓話として聞き流してください。
★なまはげ
2006/11/28 18:51
☆こねこちゃんへ
 そうですか、わかりませんか。まだ若いねこちゃんには想像できない世界の話かもしれませんね。
★なまはげ
2006/11/28 18:53
☆むうさんへ
 秋田にはこのような艶話がたくさんあります。時々ご紹介しているんですが、あんまりエッチになっても嫌われてしまうので・・・・!!
★なまはげ
2006/11/28 18:56
☆+あいさんへ
 +あいさんには十分伝わったみたいですね(笑)。この時代には子供が出来るできないは重大なことだったんでしょうね。そんな時代の女性の切羽詰った気持ちがよくあらわされていた話であるように感じたのでご紹介しました。
★なまはげ
2006/11/28 18:59
☆コマチさんへ
 実際にこのような祈祷があったのかどうかはわかりませんが、時代を上手く表している話ですね。
 病気の祈祷師よりも、この若者のほうが子宝には願いが叶いそうではありますが・・・・!?
★なまはげ
2006/11/28 19:03
この際,秋田県警はどのような立場を取ればいいのでしょう。神社のほうに回って捜査するか(聞き込みは難しいが,ぜひやってみたい),なまはげブログをおかしな文書としてチェックするか…。またまた難問ですなぁ。
閑 客
2006/11/28 21:20
☆閑客さんへ
 神社のほうはもう立派に時効が成立しているでしょうね。捜査をするなら「なまはげブログ」の方じゃないでしょうか。はたして秋田県警に捜査できるかな?
★なまはげ
2006/11/28 21:52

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